製品の品質を保証するために欠かせない

これまで製品の品質や出所を明らかにする目的で重視されてきたトレーサビリティですが、計測器においても重要なキーワードとなりつつあります。というのも現代社会のように経済活動のグローバル化が進んでいると、製品に使われている部品が全て国内で作られたものとは限りません。むしろ海外で製造された部品を輸入して日本国内で製品化しているケースも多く、そのような状況では部品の品質が製品全体に大きな影響を及ぼすことになります。つまり製品の品質を保証するには、海外で作られた部品の品質が保証されていることを確認しなくてはならないという事態が生じたのです。そこでどの国で作られた部品であっても品質が安定していることを示すために、計測器に関するトレーサビリティという考え方が取り入れられることになりました。

厳格なルールに従うことで品質を保証

この考え方を実現するために使われているのが、部品などを製造する際に標準器を用いるというものです。標準器とは国の機関や国そのものが法律などで用いるように指定した測定するための基準のことで、厳格に決められたルールに則って作られています。国が定めたルールを満たしている標準器を使うことで、それを活用して製造された部品もまた同様に品質が保証されていると示すことができるという仕組みです。標準器にはいくつかの段階があり、企業など限られた範囲内で使われているもの、実用性のあるルールに則って作られたもの、さらに最も厳格な国が定めたルールに則っているものがあります。当然ながら企業の中などで使われている規格は、国際的にはそれほど意味をなしません。どれだけ厳格であるのか他の国から見ると分からないからです。そこで多くの場合は最も厳しいルールである国が決めた計量標準に従うのが一般的です。

世界各国との比較や技術連携が大切

計測器のトレーサビリティについては、国際的な規格の一つであるISOにも定義されています。それによると国際単位系の使用や適切な周期で再校正を行うこと、さらに校正したことを証明する文章を残しておくことなどが求められています。標準器はこうした世界的なルールに従うことで、確かな標準器として機能していることを証明できるようになるわけです。ただし自分だけがルールに従っていると主張しても、第三者からみると疑問を感じざるを得ないケースもあります。そこで多くの国々では、計量標準について国際的な研究機関と連携を行っています。互いに条約を結んで比較をしたり技術協力をすることで、正確さを確認し合う仕組みを構築することに成功しました。これにより各国で測定した結果が同じものであると受け入れることができるようになり、世界のどこからも信頼される製品づくりが可能になります。

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